鞠−マリイロ−色の都

オリジ小説、二次創作(一般向け)、偶にイラスト等を主とする、純ヲタクな学生のブログ。只今更新停止中。オリジナルのジャンルは、学園ギャグ、ファンタジー等。

第8章 陽菜姫救出大作戦! 

変人五重奏 本編 【完結】CM(0) TB(0)

そして、麻斗は授業を真面目に受けるようになる。早弁もしない、居眠りもしない―――無論、”ガリ勉”麻斗から見ればそれは当然のことなのだが。
そのことは教師達を驚かせ、次第に全校に広まっていった。もともと麻斗がシンデレラということをほとんどの生徒が知っていたから、広まりやすかったのだろう。
夢野はそんな麻斗を見ながら、斜め上を仰いで、目をうっとりとさせた。

「紫垣君って、先生のためならあそこまでイメチェン出来る人だったんだぁ…感動しちゃうよぉ……ねぇ、綺?」
「え、あ、いや、うん、夢野…。それは、違うんじゃ―――」

綺はどう返したらいいかわからなかったが、とりあえず返答する。


こうして日は経ち、迎えた帰りのホームルームで行われるテスト結果返却の日―――。
教室内で一喜一憂し、騒ぐクラスメートの声も耳に入らないほど、”ガリ勉”麻斗は成績表を食い入るように凝視していた。
ケアレスミスで落としてはいるものの、全て90点代だ。なのに何故、自分は3位なのだ。一体、この自分より上の奴は誰なんだ―――。
ふと顔を上げると、高菜聖と目が合った。
彼はニヤリと笑うと、視線を動かす。思わずその先をつられて見ると、璃蓮綺がいた。
再び聖に視線を戻すと、彼はまたニヤリと笑う。
”ガリ勉”麻斗はそこで悟った。
そうか、この二人が自分の上なのだ。
高菜聖には負けるまいと思っていたのに、まさか璃蓮綺にも負けるとは―――。
彼はあまりのショックで魂が抜けたようなふにゃふにゃとした顔になると、失神して机に額をぶつけた。


聖は”ガリ勉”麻斗が失神したのを確認すると、綺を手招きしながら麻斗の席の前に立つ。
事もなげに彼の成績表をめくり、綺にも見えるように持って一瞥し、舌打ちをした。

「何だつまらない。この程度か」
「(確かに聖君とあたしはオール満点だけど…。でもあたしは今回頑張ってこれで、いつもはこんな感じなんだけど…)まあ、30位以内に入ってるだから、そこまで言わなくても―――」

聖は黙ったまま成績表を置くと、麻斗のぐるぐる眼鏡を剥ぎ取り、綺麗に整えられた髪をぐしゃぐしゃにし始めた。
綺は驚いて声を上げる。

「ひ、聖君?!何をして―――」
「こいつの恰好を元に戻す。すぐばれたらつまらないからな。璃蓮、起きそうになったら殴って失神させろ。もししなかったら俺がする。部屋も元に戻しておいてくれ」

彼は真顔のまま言うと、今度は学ランのボタンを適度に外す。
綺はもし聖が殴ったら容赦ないと思ったので、麻斗がうっすら目を開ける度に軽く殴ったが、それだけで失神してしまった(家に帰った後、綺は言われた通り部屋を元に戻した)。
ホームルームが終わってから、夢野の成績表を見て30位以内に入っていることを確認すると、4枚の成績表を持ち、3人で校長室に向かう。


「これでいいですか、教頭先生」

聖の見せる4人の成績に、教頭は声も出なかった。
彼は悔しそうに眼鏡を上げる。

「ふ、ふん。まあいいでしょう。ところであと一人、足りない気がしますが?」
「彼は予想外の好成績に失神して、教室にいます」

またもや真顔の嘘に、綺は少し青ざめて目を逸らす。
だが保健医ならば見抜けたであろうこの嘘は、教頭には見抜けなかった。
校長は嬉しそうに頬を赤らめて言う。

「皆さんよく頑張りましたな。今日にでも日下部先生の謹慎を解きましょう」
「わぁ、本当ですかぁ?やったぁ!」

夢野ははしゃぎ、綺は安堵して息を吐いた。
翌日、校長の言う通り陽菜は復帰し、クラス全員に歓迎される。
無論麻斗はわけのわからないままとっていた好成績に大はしゃぎしたが、聖に何かされたんだと了解したクラスメートは何も言わなかった。


終了式の日―――。
教室で、まだ麻斗は喜んでいた。

「なぁ、オレ凄くね?オール90点代だぜ?」
「はい!本当に凄いです、紫垣君!」

陽菜も同意する。
事情のよく知らない二人に、知ってはいるものの経緯は知らない夢野は首を傾げた。

「ねぇ、紫垣君」
「んだよメルヘン」
「イメチェンしたこと、本当に覚えてないのぉ?」

夢野はかなり残念そうだ。
聖は夢野の頭にぽん、と手を置く。

「言っても無駄だ、柊」
「むぅ」
「何のことだよ」
「さあな」
「わけわかんねぇよ!」

麻斗は怒鳴るが、聖は当然びくともしない。毎回このような状況になり、聞いても、彼は夢野を黙らせ、かつ答えてくれないのだ。
そうこうしていると、二人の男子のクラスメートが近づいて来て、聖の肩を叩いた。

「なあ高菜ー。いい加減教えてやれって」
「そだよ。何かさすがに麻斗が哀れになってきた。ほら、コレ。テスト前のお前だよ」

差し出した携帯の画面に写っていたのは、休み時間に勉強する”ガリ勉”麻斗。
聖は不服そうにそっぽを向く。
麻斗は目を剥いて、画面を凝視した。

「うぇえ、これオレ?!うわ何キモ!つかどういうことだよ聖!これやったのお前か?!何したんだよ!」

麻斗に襟首を掴まれた聖は、麻斗の手を払いながらつまらなさそうに答える。

「催眠術だ。お前にベクトルを教えた時、これは無理だと思った。だからお前にガリ勉になるよう、催眠術をかけた」

麻斗は声も出せず、口をわなわな震えさせた。道理で自分の記憶が抜け落ちていたわけだ。
陽菜は少し違うところに感動しながら言う。

「はわ〜、高菜君ってすごいですね〜」
「ありがとうございます」
「つかやるなら、フツー当人に了承得るだろ!」
「もし俺が聞いたとして、お前は了承したか?しないだろう、気持ち悪いと言って。だからやった。まあいいだろう、もう一人のお前はお前がとれない順位をとり、先生を助けたのだから」

上手く言いくるめられて反論できず、麻斗は喉を唸らせる。確かに、拒否するだろうし、自分では30位以内に入れなかっただろう。
その時、携帯の着信音が鳴った。
聖の携帯だったらしく、取り出して開く。そして言った。

「聞け、麻斗。今お前の両親からメールが来た」
「…へ?何、いつの間にメルアド交換してんの?」
「会った時だ」
「何ィーー?!」
「それで、シンデレラのDVDがアメリカで大繁盛だそうだ。良かったな、麻斗。つまり、アメリカでもお前のシンデレラ姿が見られている、ということだ」
「―――何ィーーーー??!」

ショックを受ける麻斗の横で、二人の男子のクラスメートは喜ぶ。

「うわぉ、マジで?!」
「皆に言おうぜ!」
「オーケィ!」
「つあ、待て、お前ら!」

麻斗は走り出す二人を止めようと叫ぶが、二人の姿はすぐに見えなくなった。このことは今日中にでも広まるだろう。
夢野は頬を膨らませて言った。

「別にいいと思うよぉ?だってあの劇、楽しかったもん!」
「それはお前だけだ!オレはすっっっっっげぇやだった!」

陽菜は怖ず怖ずと手を上げる。

「あ、あの、私も、楽しかった、です!」
「ヒナーー!!お前もかっ!」
「と、いうわけだ。諦めろ、麻斗」

眼鏡を上げて淡々と言う聖に、麻斗は耐え切れなくなって怒鳴った。

「ざけんなーーー!」
「わ、わ、お落ち着いて、麻斗君!」

綺は暴れる麻斗を押さえたが、容赦するのを忘れたことが麻斗に災いする。

「いぃってぇ!離せ、離せ綺!関節外れる!」
「え、わわ、ごめん麻斗君!」

彼女は慌てて麻斗に謝った。
痛む肩を押さえ、痛みでじわりと滲む涙を拭う。
絶叫した麻斗の声は空にこだました。

「お前ら人のことを少しは考えろーー!!」

その言葉に、聖はぼそりと呟く。

「充分人の気持ちを考えていると思うが」
「お前が言うなお前が!」


<完>

***あとがき***

やっと終わりましたー!

何かまだ終わったという実感がありませんが、終わりましたよ!

友人からのリクエストがありますが、それは別ですたい。

多分これ初めて完結まで書けた作品。うわはい感動でっさぁ。2年半書いてたからなぁ。だから実感がないのか。

モデルになってくれた方、本当にありがとうございました!この作品の脇役はかなり濃くて、たまにメインを食っていたりしましたが(笑)

では、変人五重奏本編は終了です。長く読んでいただき、ありがとうございました!

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第8章 陽菜姫救出大作戦! 

変人五重奏 本編 【完結】CM(0) TB(0)

麻斗と夢野を起こし、聖と夢野は自宅に帰り、夕食も食べ終わり、皆が寝静まったあと―――。
綺は、なるべく音を立てないようにしながら、ゆっくりと麻斗の部屋のドアを開ける。
予想通り、麻斗はぐっすりと眠っていた。
綺は、麻斗と聖からもらったある物(彼の荷物に入っていた)を見比べながら、唾を飲み込む。
”やり方は先程言った通りだ”
”麻斗の学力は、上がったとしても30位には入れない”
”日下部先生を助けるには、こうしなければならない”
彼女は決意したように頷くと、寝息を立てる麻斗に歩み寄った。


次の日の朝。
制服を着替え終わった綺は、伸びをしながら食卓についた。

「おはよう、お母さん」
「あらおはよう、綺。………あらら、麻斗は?」
「え―――あっ!」

昨夜自分が麻斗にしたことを思いだし、慌てて立ち上がる。
その時、ダイニングルームのドアが開き、誰かが入ってきた。

「ほうっ。今日もおいしそうな朝食ですね」

聞き慣れない口調に綺は思わず振り返り、綺母は綺で見えなかったので体を傾けて、二人は彼を見る。
綺母はびっくりしたが何処か嬉しそうな顔をし、綺は声にならない叫びを上げた。


綺は猛ダッシュで教室に駆け込む。

「あぁ璃蓮。おはよう―――」

何食わぬ顔であいさつをする聖に綺は詰め寄り、襟首を掴んだ。

「ど、ど、ど、どどどどういうこと聖君…!」
「何がだ?」
「麻斗君のことよ!何なの、あれ?!
 大変なことが起こったのに、お母さんは『あら麻斗ー、そういう道に進むことにしたの?お母さん嬉しいわー♪』って楽しそうに言うし、
 お父さんは『麻斗も変わったなー。海外にいるあの二人が面白がりそうだ』って言うだけだし、
 お兄ちゃんなんか『麻斗は自ら笑い者になる道を進むことにしたんだね。心変わりをしないうちに楽しんでおくことにするよ…フフフ』って笑って皆真面目に取り合ってくれないのよ…!」
「で、麻斗はどうしたんだ?」
「それが―――」
「おやっ?何の話をしているのですか?」

ぬ、と肩に近づいて来た顔に、綺はびくりと身を引く。
その生徒のきっちりとワックスで七三に分けられた髪は黒く、ぐるぐる眼鏡をつけている。制服もボタンも一つも外さずにつけ、いわゆる”ガリ勉”のような恰好をしていた。
彼は中指で眼鏡を上げながら言う。

「いけませんねぇ、いけませんねぇ。人の悪口を言うのは。どうせ言うのだったら面と向かって言ったらどうです?」
「わ、悪口じゃ―――」

綺は反論しかけたが、どうにも上手く接することが出来ず、しどろもどろになってしまった。
聖はその生徒の容姿を頭のてっぺんから足の爪先までじっくり見た後、聞く。

「お前、紫垣麻斗か?」
「そうですが、何か?」

彼は至極当たり前のように答えると、聖、綺の順に指を突き付けた。
何だか、平常の麻斗よりも声が高い気がする。

「今までの私は成績はどん底でしたが、今回の私は違います!今にあなたたちを抜かすでしょう。よく見ていることです!」

そして、彼は自分の席に座った。
それでさすがにクラスメートも麻斗の変貌ぶりに気が付き始め、こそこそと話している。
綺は聖に尋ねた。

「で、昨日渡してもらったあのイヤホンのようなものは何だったの?」
「あれは俺特製の、つけた途端その人物に催眠術をかけることの出来るイヤホンだ。その催眠術の内容は”ガリ勉”になれ、というものだったから、あのようになったのだろう」

聖は相変わらず淡々と言う。

「でも、何でそんなこと―――」
「今のあいつは、趣味は何だと聞かれたら『勉強』と答えるような奴だ。なら俺達が教える必要もないし、柊だけでよくなる。それに毎回同じ競争相手だと、つまらないだろ?」

聖はニヤリと笑った。昨日の笑みによく似ている。
綺は考え込んだあと、聞いた。

「麻斗君を元に戻す方法はあるの?」
「もちろんある。それはあいつよりいい成績を取り、精神的なショックを与えることだ。」

彼女はびっくりして、思わず目を見開く。

「だから俺達も頑張らなければならない。あの全く出来ない麻斗がいなくなり、随分楽になったから勝てると思うがな」

綺は聖から視線を離して、教室内を見回す。
女子の大部分は『紫垣君って面白いよねー♪』とはしゃぎ、男子の一部は『俺今回あの麻斗に負けるのか!?どうしろってんだっ?!』と嘆いている。
陽菜のために、麻斗のために、そして陽菜の帰りを心待ちにしている皆のためにも、頑張らなければならない。
綺は決意を新にして、自分の席に向かった。


<続>

***あとがき***

終わって…ない!次ですねぇ。
麻斗のモデルさんに嘆かれそうなことをしてしまいましたが、これは当人には秘密です(笑)別に言ってもいいですが。
夢野ががり勉麻斗を見て驚く小ネタもありましたが、出来ませんでした。まあ、行間に行われているということで。
ではー

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第8章 陽菜姫救出大作戦! 

変人五重奏 本編 【完結】CM(0) TB(0)

と、いうことで綺の家に集まり、勉強会を開くことにしたのだが―――。

コロコロコロ、と鉛筆の転がる音が、綺の部屋の中に響く。

「…………………………」
「…あ、麻斗君?」
「…っと、これでいっか…………あ?あ、な、何だ、綺?」

綺に、先程の自分の行為を見られたと気付いて慌てて鉛筆を隠した。
それを黙って見ながら、綺は麻斗の答案を見る。これは今まで自分がベクトルについて教えたことのまとめテストだ。下にいくにつれて、ほんの少しずつ難易度が上がっている。
麻斗の答案は下はほとんど空欄で、何とか考えた跡が残っているだけだ。上のほうは確かに書いてはいるものの―――めちゃくちゃである。
自分の勘は当たっていないと信じたかったが、当たってしまったようだ。
麻斗は鉛筆を転がして、適当に解答していたのだ。
綺はついに勘忍の緒が切れて、机を勢いよく叩いて、座布団の上に座っていた姿勢から立て膝になった。

「あーさーとーくーんー!!」
「ひ、ひぃ…!…だ、だってよぉ、よくわかんねぇんだもん!」

自分の教え方がよくなかったのだろうか。いや、それはない。中学生に、時には小学生に教えるような感じでやっていたのだ。間違えるはずがない。
同じ机で、隣で聖に教えてもらっていた夢野が歓声を上げる。

「やったあ♪できたよぉ!ありがとぉ、高菜君!」
「いいや、礼には及ばない」
「う、うえ?何でメルヘン出来てんだ?」

聖は麻斗に冷たい視線を送った。

「ただお前の知能が、柊の知能に著しく劣っているだけだ」

その言葉はさくりと麻斗の胸に刺さる。直視したくなかった現実だったので、余計堪えたらしい。
綺は溜め息を吐いて落胆しながら言う。

「聖君…あたしじゃどうやら、麻斗君の家庭教師は無理みたい…」
「そうか。なら俺と璃蓮を交換しよう」

二人は立って場所を交換した。
麻斗の真向かいに座った聖は、眼鏡の奥の冷徹な眼差しで麻斗を見る。

「璃蓮は優しく甘くやったようだが、俺はそのようなことは全くしない。覚悟しろ」
「う、うぇ、ちょ、待って聖―――」

聖は問題集を何冊も取り出して、高々と机の上に置いた。

「今から2時間でベクトルの基本から標準を教える。それから3時間でこの問題集のベクトルのところを全て解け」

麻斗は、肯定も、聖の圧倒的なオーラに否定も出来なかったが、聖は有無を言わせず教科書を開く。

「麻斗、さっき言ったことをこなせなかったら、罰として裸ソックスで街中徘徊だからな」

裸ソックス、再来。
麻斗はその言葉に戦いたのか、慌てて教科書を食い入るように凝視する。
綺は聖のスパルタ教育の炸裂ように苦笑したが今回は止めずに、夢野を教えることに集中した。


勉強会は当然一日では終わらず、今日は各々の家庭が許すまで勉強し、日を改めて勉強会を行うこととなった。
麻斗と夢野が疲れて寝てしまい、日が地平線に沈む頃、教師である二人は相談会を開いた。

「で、聖君…。麻斗君、どうだった?」
「あれはもう駄目だ」

にべもない即答に、綺は思わず目を剥く。

「ま、まだ一日しか経ってないのに、そんな言い方―――」
「璃蓮も教えてみてわかっているだろう。あいつは勉強を怠けているのもあるだろうが、ベクトルは根本的に出来ないようだ。麻斗を見ろ、璃蓮。一応ノルマは越したものの、死骸と化している」

言われて見てみると、可愛く身を縮こませて寝る夢野の横で、麻斗は伸びていた。しかもそれに生気は宿っておらず、まるで干物のようだ。

「それに、まだベクトルは終わっていない。テストには発展もいくつか問題が出る上、それが出来なければ上位に食い込むことも出来ない。発展問題をこなせるよう、先程のような勉強をあと数日は続けるつもりだったが―――これでは続行不可能だ」

身を翻し、持ってきた自分の荷物のほうへ向かっていく聖の背に、綺は声を投げ掛ける。

「―――じゃあ、これからどうするの?」
「俺に考えがある」

聖は何処か楽しそうに、ニヤリと笑った。


<続>

***あとがき***

聖君ありがとうー!君がいるといろんな意味でとんとん話が進む!そしてそのモデルの方にも礼を言いますありがとうー!(キャラもう随分変わっちゃったけど)
次で終わる、かな?終わるといいなー
これは一日で書き終わりました!(まぁそこまでの道程が長すぎたことはさておき)テキトー。だって説明文少ないんですもん!リズミカルにするために、わざと減らしてる面もありますが、明らかに闇夜より少ない!
ふはー!久しぶりに書いたから楽しかったー!
イカメロは…イカメロの台詞で止まってます。いやあ、あいつの口調忘れちゃ(殴)
誰か助けてー!あともうちょっとなんだ!

んま、こんなんで。またいつかー。

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第8章 陽菜姫救出大作戦! 

変人五重奏 本編 【完結】CM(1) TB(0)

「―――で、ヒナは謹慎、ねぇ。運悪いとゆーか、間抜けとゆーか…」
「間抜けじゃあないと思うけど…」

休み時間、4人はいつものように教室の一角に集まって話していた。話題は、見ての通り、昨日のブラック陽菜降臨事件。
事件については、先程教頭が来て怒り心頭の様子で話し、教室から出ていった。
夢野は落ち着かない様子で言う。

「ねぇねぇ、先生どうなっちゃうんだろぉ?」
「さぁな。ただ、まだ謹慎期間は決まってないようなことを言っていた」

腕を組んで淡々と言う聖の言葉に、綺が沈んだ顔をした。

「何か、嫌な予感する…」

綺の言葉に、誰も異論は唱えなかった。


昼休み、校長室にて教頭と校長は今後陽菜をどうするかについて話していた。
校長は椅子に座り、机に肘をついて首を傾げる。

「うぅむ…。日下部先生も反省しているようだしねぇ。それに、どちらかというと生徒の方が悪い気がするし、あと一週間くらいで謹慎をとけば―――」
「甘いですよ校長先生っ!そんなんだからああいうダメな教師や生徒がうちの学校に入ってくるんです!」

たまたま校長室の前を通り掛かった夢野は、陽菜のことが話し合われているのに気が付いて、校長室のドアに顔を近付け耳をそばだてた。
教頭は校長の顔を覗き込む。

「いっそのこと―――日下部先生を解雇してしまったらどうでしょう?」
「えええぇ?!…っ!」

教頭の発言に驚いた夢野は思わず声を上げてしまい、慌てて口を塞いだが遅かった。
校長と教頭は夢野の存在に気付き、教頭はドアを勢いよく開ける。
校長はおや、と目を丸くした。

「日下部先生のところの生徒ですな」
「盗み聞きとは何ということをっ!」

立腹した教頭に驚いて夢野は思わず逃げ出す。

「あ、ちょっと待ちなさいっ!」


教室に駆け込んだ彼女は綺達に走り寄ると、声を張り上げた。

「せ、先生が辞めさせられちゃうかもしんないんだってぇ!」

教室内にいた生徒はその情報にざわざわとざわめく。

「えぇ、ホントかよ」
「やばくない?」
「み、皆、落ち着いて…!」

綺は静かにさせると皆に呼び掛けた。

「とりあえず、詳しい話を聞きに行かなきゃ!」
「そうだな」

聖は頷く。

「俺と璃蓮、柊で校長室に行く。あと、麻斗もついてこい」
「は?オレ?」
「そうだ」
「オレ交渉役には役に立たねぇって」
「そういう問題ではない」
「…?」

わけがわからないまま、麻斗は校長室に向かう一行の最後尾についた。


聖はきちんとドアをノックして断ってから入る。だが開ける際の音は荒々しい。
教頭は入って来た4人をねめつけると鼻であしらった。

「ふんっ。何の用ですか?」
「お話に来たのですよ、教頭先生」

聖は感情の篭っていない目を教頭に向ける。

「友人の柊さんが聞いていたことによれば、貴方は日下部先生を解雇したがっているようですね。無論、私達は御免です」

教頭と聖の間に見えない火花が散った。

「貴方は成績をいつも重要視している。私の友人である紫垣君を毛嫌いする理由は、彼の成績不振にあるようだ。そこで、取引です」

聖は目を細める。

「次の定期考査で私達4人全員の成績が上位に入った暁には、先生の謹慎をといてもらいたい。いいですか?」

教頭は聖の勢いに少し圧倒されながらも言い返した。

「ふ、ふん!上位といったって、2年生は全員で300人もいます。60位も上位といえる。だがそんな順位では私は了承しませんよ。やはり30位くらいでないと―――」
「いいでしょう。30位までに入りましょう」

冗談で言った言葉に食いついてきた聖に、教頭は目を剥く。

「私と璃蓮さんはいつも圏内ですが柊さんはぎりぎり入っていない。紫垣君なんて以っての外だ」

麻斗の体に以っての外という言葉が重くのしかかった。事実ではあるのだが。

「つか、無理じゃね?オレいつも半分下回ってんぞ?」

麻斗の台詞を無視して、聖は続ける。

「その二人が入ったならば、さぞかし貴方も嬉しいことでしょう」
「いいでしょう。取引成立です。ただし、入れば、の話ですかね。もし…入らなかったら、貴方がたはどうするつもりですか?」
「私達をどうとでもしてください。それは貴方が勝手に決めて結構。では、もうここに用はありません。失礼します」

教頭の悔しそうな顔を余所に4人は退出する。
こうして、麻斗と夢野の大特訓が始まったのだった。


<続>

 

第8章 陽菜姫救出大作戦! 

変人五重奏 本編 【完結】CM(0) TB(0)

それは、ある日の放課後の掃除の時間のこと―――。
廊下を掃除していた男子生徒は段々掃除がつまらなくなってきて、小学生がするような雑巾の投げ合いをして楽しんでいた。

「やーい!おりゃ!」
「へへーんだ!そんなの届くかよ!ほれっ!」

その廊下の前にあった国語科教科室から、陽菜は目を閉じて溜め息を吐きながら出て来た。
最近教頭から事細かに注意されてばっかり。どうして自分はこうもダメなのだろう。
その時、運悪く男子生徒の投げた雑巾が陽菜の顔面に当たった。
さすがの男子生徒も真っ青になる。

「馬鹿っ!お前何してんだよ!」
「だ、だってあんなところから先生が出てくるとは思わなくて―――」

陽菜から何か殺気のようなものを感じて男子生徒達は一瞬縮み上がり、慌てて陽菜を見た。
陽菜の顔面から雑巾が落ちる。
途端陽菜の形相は一変し、ブラック陽菜が降臨した。

「おいてめぇら!俺様になんてことしやがる!あぁあ?」
「「ひいいぃぃぃっ!」」

さっきの雰囲気とあまりの違いに、男子生徒達は恐れをなして逃げる。
ブラック陽菜がそのまま追い掛けようとした時、後ろから呼び止められた驚きで滑ってバケツに頭を突っ込んだ。そしてブラック陽菜は陽菜へと戻る。

「日下部先生っ!貴方、何をしてるんですかっ!」

顔を起こして振り返ると、険しい表情で教頭が立っていた。

「見ましたよ、今の」

陽菜はあまりの教頭の怒りように顔が青ざめる。
私、何かしたっけ…?


<続>

 
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プロフィール

Author:透雫
ロックオン、欅くん、泉孝介、サルドニュクスは我が心の夫。
マンガ、小説、ゲーム(一部)はバッチコイ。歴史は戦国〜安土桃山、最近はWW?、?に熱中。

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