「くっ……やればいいのだろう?!やれば!”お花ブーメラン”!」
三成(イカメロ達にとってはウサ義ー仮面)は半ばヤケになりながら、花のボタンを外し、ブーメランのように戦闘機長政に投げ付ける。
さして攻撃力はないが、注意をこちらに向けることはできた。
「某に何用だ?!そうか、そなたも市狙いか!ならば―――」
三成は完璧に長政の言葉を無視して、仮面を少し外す。隙間からピンク色の光が漏れた。
そう、それは本物のイケメンにしか出せない技―――。
「”イケメンビーム”!」
まばゆいばかりのピンク色の光がビームとなって戦闘機長政に向かう。
長政は攻撃を受けて叫び、そして
―――ボムン!―――
という音と共に白い煙が長政の周囲を覆う。
煙が晴れた時には既に、長政は元の人間の姿に戻っていた。
三成は自分は何をやっているのだろう、と強い脱力感を感じて、遠い空をぼんやりと眺める。
そうしているとイカメロが近寄って来て、爽やかな笑顔で、なにやら握手をしてきた。
やめろ、俺はお前と親しくなどしたくは―――。
「あなたは素晴らしい義人だな!これからもこのイカメロディと不義を倒していこうではないか!」
三成がげんなりしているのを余所に、イカメロはスタンプ帳をウサ義ー仮面に渡し、様々な色の飴が入ったキャンディーボックスを開ける。
すると飴が勝手に飛び出してきて、ウサ義ー仮面のマスクを通り抜けると口の中へ入って来た。
彼は驚いて慌てて口から飴を出そうとするが、そんな間もなく、彼とシツジ仮面は再び体中からピンク色の光を出して車に乗って帰っていった。おそらく自宅に帰ったのだろう。
ふと幸村は長政を見ると、四つん這いになって顔を俯けて苦しそうに呟いていた。
「某は、何ということを…!罪もない民に攻撃をして……。これでは市と顔を合わせることなど出来ぬ……!」
だが長政の心とは裏腹に、お市は大通りのほうから走り寄って来た。
「い、市…?!(まさか、先程の某を市に見られた―――)」
思わぬ登場にあわてふためく長政に、お市は気遣うように言う。
「大丈夫ですか、長政様!」
「い、市?」
長政は驚いたように顔を上げた。だが、罪の意識に負けて、俯く。
「市…。某は先程無防備の民を攻撃してしまった。いくら変なものをかけられたからといって、してはいけないことをして―――」
「人は誰だって間違いを犯します。長政様だって同じです。だから市は気にしません」
お市は長政を元気付けるように強く長政の手を握る。
「それに―――先程の長政様、少し格好よかったですよ?」
言いながらにこりと笑うお市に、長政は見惚れて顔をほんのり朱に染めた。
「市……」
すると、ふよん、と長政の胸辺りから黒音符が出る。それは吸い寄せられるように徳川クロミに近付き、いつの間にか開いていたメロディーボックスにファの音と共に入った。
「ほう!黒オンプとはこのように回収するのか!」
徳川クロミは感動したように言うと、忠バクの上に乗る。
「では帰るぞ、忠バク!」
「承知つかまつった!」
「待て、不義め!」
イカメロは叫んだが無論それで二人が止まるわけでもなく、結局夕暮れの空に消えていく彼らを見送ることとなった。
イカメロは夕暮れの空を見つめながら言う。
「幸村…逃げられてしまったな」
「そうですね…。でも次は、きっと勝てますよ、イカメロ殿!」
幸村に頷きながら、イカメロは進み出て夕日に護符を掲げた。
「そうだな。私に義と愛の心がある限り!」
ギン千代も進み出て、イカメロを一瞥し、夕日に視線を写す。
「私も手伝おう。徳川クロミと言ったか、あいつのやり方は気に入らん」
「では、稲はギン千代について行きます!」
稲姫は目を輝かせる。
こうして、4人は夕日に向かって誓いを立てると、自宅に帰って行った。
<完>
***あとがき***
すっっごい微妙なところですが、つか話が始まったようなもんですが、終わりです。
これ以上続けられるネタもたいして無いので(汗)
一気に書けたのは、友達の家でせんむそ2をやったからです。ありがとう、友よ!
では、今まで読んでいただきありがとうございました!