鞠−マリイロ−色の都

オリジ小説、二次創作(一般向け)、偶にイラスト等を主とする、純ヲタクな学生のブログ。只今更新停止中。オリジナルのジャンルは、学園ギャグ、ファンタジー等。

RPG27

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骨がわずかに浮き出る程痩せた子猫が草一つない荒れた大地を駆けていた。後ろからはあまりの飢えに我が子を喰らおうとする父猫が追い掛けてきている。母猫は父猫を止めようと応戦し、死んだ。
子猫は懸命に走ったがすぐに追い付かれ、対峙することとなった。父猫はもう周りが見えておらず、子猫のことをもう餌としか思っていない。
じりじりと歩み寄られ、死を覚悟した時、父猫の体を何かが貫いた。子猫はその隙に必死で逃げ、じきにその姿は見えなくなった。
それを視認し、父猫の死骸へと視線を移す。茶色の瞳が嫌そうに歪んだ。
「ここでも”親”の腐敗は変わらない、か…」
ローディオールは父猫の亡骸から剣を引き抜き、鞘に仕舞う。
人とは不思議なものだ。生まれた時の心はとても純粋で透き通っているのに、育つにつれてどんどん腐っていく。無論例外もあるが、大半はそうだ。
そのようなこの世界を根本的に正すには、”親”の死滅が必須だ。子供はまだ精神的に治すことは出来るので構わない。
ほぼ空想的だが、”黒の蜃気楼”が、あの絶大な力があれば、それすら可能になるのだ―――。

ざわり、と風が騒ぐ。
振り返ればあの二人、ルザリオとラルシャがいた。自然と口角が上がる。
「ふむ…ようやく来たようだね。本題に入る前にこれを」
手を顔の高さまで掲げ、指を鳴らした。
「プレゼントしよう」
後ろに控えていたジダーヤの姿がゆらりと揺らめいて消える。
ラルシャが驚愕して目を見開いた。
「なっ…?!詠唱なしで?!」
「気をつけろ!あれは不可視系の魔法―――」
ルザリオの言葉が言い終わる前に彼女の体が横に吹っ飛ぶ。咄嗟に受け身を取ったが、反撃が出来ていない。相手が見えないせいで一方的にやられていた。
「ちっ…!」
魔法杖を構えて、魔法解除の魔法を唱えようとする。その時、ローディオールの指なりが再び聞こえた。
「あぁ、君にはこれを」
途端、体が金縛りにあったように動かなくなる。すると、自分の影が蠢いて生きた人間のように起き上がり、ルザリオを羽交い締めにした。
影縫いか―――!
指なりは魔法の発動の鍵となってることからすると、恐らく事前に指なりすればすぐ発動出来るよう、魔法を予めこしらえておいたのだろう。ちなみにそれにはかなりの魔力を使い、かなり高い技術が必要だ。
ローディオールはこちらに歩み寄りながら不気味に笑う。
「君達は間抜けだね。私が何も用意しないと思ったのかな?」
「うるせぇっ!こんなもの―――【蝉脱(チェルティ)】!」
ルザリオの体が白く淡く発光すると、小さな白き竜が現れて素早くルザリオの体を旋回した。その動きに合わせてルザリオの影が崩れ、元の影に戻った。ルザリオはすぐに杖を構えて体制を整える。
「なかなかやるようだね。いいだろう、君の質問に答えよう」

ラルシャは反射神経で右に避けると、何かが掠めた。九分九厘ナイフだ。
確かに相手は見えないが、ナイフがどこへくるかくらいは何となくわかるようになってきた。これであと、相手さえ掴めれば―――。
再び気配がして左に避ける。次の瞬間強い痛みと共に頬が蹴られた。ナイフは囮で不意をつこうとしたようだが―――今だ!
蹴ってきた足を両手で掴み、一回転させてから遠心力で吹っ飛ばした。
地面に落ちる激しい音を耳で確認しながら、懐から護符を取り出して掲げる。
「【解放(リリース)】!」
護符は一瞬で細かくちぎれると、ある一点へと向かった。それは人の形を取り始め、数秒経った時にはそれがジダーヤだとわかるようになっていた。
ジダーヤはゆっくりと立ち上がると、服についた砂を掃う。
「相変わらずあなたは痛いね…まぁいいよ。俺の役目は果たせたようだから」
「役目?」
眼鏡の奥の瞳が淡々と見返す。
「あなたとあいつを引き離すこと」
ラルシャが慌ててルザリオのほうを見た時にはすでに自分との間に、稲妻が線状になったものが金網のように張り巡らされた結界があった。
あれに触れたら一瞬で火傷する。しかも中級魔法。初級しか使えない自分には解除することが出来ない。
「ルザリオ、ルザリオ…っ!」
「無駄だよ。こっちの声は聞こえないらしいから」
ジダーヤの言葉通り、ラルシャが必死で叫んでもルザリオはぴくりとも反応していない。
ラルシャは悔しさで下唇を噛む。これでは自分がついてきた意味がないではないか。
ローディオールがルザリオに向かって口を開く。その声はこちらにも聞こえてきた。

<続>

***あとがき***
字数がオーバーしたので切っちゃいました。
通称まぐに展開遅いねと言われてうんたかかんたかと答えましたが、実際はラルシャの話をきちんとやるためです。あの時しかやる時がないのに話が結構詰まってたんで時間かかりました。もう準備期間は終わったんで大丈夫だと、思います。
口調間違ってたらごめんなさい。ロディ兄さんとかてけとうに書きました。だって資料がなかったんですもんくすん(/_・、)
次は時間があったら書きます。次で切ります。またリクエストしてくれた人にキリ悪いねと怒られそうです。では。

 

RPG26

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下に降りると左手のほうに部屋があった。
―――あそこからご飯の匂いがする。いやしかし、食堂じゃなかったりとか全然違ったりしたらどうしよう、と恐る恐る近付いてみると部屋から出ようとしていたラルシャと鉢合わせした。
ラルシャはキョウの顔を見て微笑む。
「ん、大分良くなったわね。ご飯はあそこに置いてあるから」
「わかった。あ、このタオル、助かった」
「あぁ、はいはい」
キョウの手からタオルを取ると、走るようにして階段を上がり去って行った。どうかしたのだろうか。
部屋に入り、ラルシャが指差していた方向を見ると、確かにご飯があった。おいしそうだ。お腹の空き具合も限界である。こんな時間までご飯を食べていなかったのだから当たり前なのだが。
―――にしても、2セットあるのだろう。両方自分のものか?いや、両方同じメニューだし、量も違う。
しばし悩んだ揚句、量の多いほうを戴くことにした。

たくさんの椅子と机が部屋に並べられている間を縫うように進み、キョウは窓際の席に座る。
カーテンは全て開け放たれていて、視界いっぱいに広がっている。雲は薄くたなびいていて、とても綺麗だ。
濁ったものが澄んでいくような心持ちで眺めながら咀嚼していると、廊下のほうから軽い足音が聞こえた。入って来たのは小さな姿。
「あ、キョウさん!」
アルフは嬉々としてもう一つのご飯セットを手に、キョウの前の席に座る。あぁ、あれはアルフの食事だったのか。道理で量が少ないわけだ。
「私が言うのも何だが、アルフが食べるのは何でこんなに遅いんだ?」
キョウが目覚めたのは昼前だったが、顔を冷やしながらごろごろしている内に昼はとうに過ぎてしまっていたのだ。うぅむ、何と言うアホさ加減。
アルフは口に含んだものを飲み込んで言う。
「大量の仕事を部下に押し付けてしまっていたんで、少し片付けてきたんです。そうしたらいつの間にか遅くなっちゃって…」
押し付けることになったのは、自分のせいだろう。
皆に迷惑をかけて、心配もさせて―――。そもそも、ここにいることさえ自分のせいだというのに。
「本当に、済まない………」
アルフはやんわりと、暖かい笑みを向ける。
「キョウさんは気にしなくていいんですよ。僕がもう少し手際が良ければ済む話なんです。それじゃ、僕はそろそろ失礼しますね」
アルフは食べ終わった食器を持って、部屋の隅にあった窓口に出す。そこから女の顔が覗いて、食器を奥に持って行った。そうか、食べ終わったらあそこに出せばいいのか。
部屋が途端に静かになった。だが穏やかで、心地よい雰囲気だ。
キョウはまだ、あと少しこの雰囲気に浸っていたくて、そっと目を伏せた。

ルザリオは食堂から離れたところにある廊下を歩いていた。足はいつもより忍び足で、目を左右にくまなく動かしている。手にはローディオールからの手紙。思わず握る力が強くなる。
もうすぐ玄関だ。あと少し、その角さえ曲がれば―――。
「どうかしたんですか、ルザリオさん?」
「っ……!」
角を右折した途端、ひょっこり顔を覗かせたのはアルフだった。にこにこ笑うアルフの奥にはラルシャだった。こちらは逆に厳しい表情である。きつい目でルザリオを睨んでいる。
「……別に、何でもねぇよ」
「そうですか。じゃあ、その手に握っているのは何ですか?」
ぎょっと目を見開いて慌てて手を後ろに回した。まさか、このことを―――。
「いや、これは……」
何とか言い訳しようとするルザリオに、アルフは畳み掛ける。
「あ、しらばっくれても無駄ですよ?失礼を承知でルザリオさんの部屋に入らせて戴きました。ついでにコピーも。駄目ですよ?部屋の戸締まりはちゃんとしないと」
アルフは手紙をコピーしたものを翳す。
部屋の鍵は閉めて出たはずだ。記憶も鮮明である。
ラルシャか?いや、あいつは自分と一緒に食事を取っていた。と、いうことは―――。
恐ろしさに思わず笑みが漏れる。
「―――お前の子飼いのやつか?」
「えへへ、企業秘密です♪」
アルフは笑んだままだ。それとは裏腹に纏う雰囲気には突き刺すような鋭さがあった。こちらが圧倒されているのがはっきりと感じる。
ルザリオは肩を竦めて、ため息をつく。アルフには勝てない、勝てる気がしなかった。
「わかった。お前の察し通り、ローディオールのところへ行こうとした。これでいいか?」
「はい、大丈夫です」
ルザリオはすっと目を細めてアルフを凝視する。
「にしても、俺は味方だってのに油断も隙もねぇな。絶対敵に回したくねぇぜ」
「最高の褒め言葉、ありがとうございます♪」
満面の笑みを浮かべるアルフに、ルザリオは言葉をなくして、肩を落とし、脱力した。
アルフは続ける。
「ルザリオさんがどうしようと勝手ですが、こういう団体行動の時は皆さんを巻き込まないで下さい。―――あなたは先程、まさに”飛んで火に入る夏の虫”を実行しようとしていた」
返す言葉もない。俯いたまま続きを促す。
「とりあえず、今は相手の動向を窺うべきです。―――でも」
アルフは優しく微笑む。
「そんなに行きたいなら行っても構わないと思います」
ルザリオは驚いて顔を上げた。絶対反対されると思ったからだ。
「ただし、ラルシャも連れていって下さい。そうすれば何かあった時、対応出来ますから」
「…わかった」
アルフの言うことはもっともだ。一人でいたら怪我してしまうと何も出来ないが、二人でいたら何とかなる。
「じゃ、行きましょ」
アルフに見送られながら、ラルシャの言葉に従って外に出た。

「ねぇ」
ラルシャはルザリオに話し掛ける。
目的地へ魔法を使って移動せず、徒歩で行くことにした。ここからそこまで距離はないし、転送し終わった瞬間を攻撃されたら防ぎようがないからだ。
「ルザリオがローディオールに聞きたいことって何なの?」
ルザリオの表情が険しくなる。遠くを見つめるように、眉間に皺を寄せた。
「あぁ、それは―――。ミルダがどこに行ったか、知ってるか?」
「ミルダって、ローディオールのお母さんのこと?」
ルザリオの父親の愛人でもある、ミルダ。
ラルシャはあまり接点がなかったので覚えていないが、綺麗な人、という印象は残っている。そしていつも息子・ローディオールと一緒にいた。
無理もないが、彼女はルザリオの母親である正妻に嫌われており、同時に一族中も畏敬の念を向けられていた。一族の者ではない者と関係を結び、あまつさえ子供を産んでしまうなど有り得なかったのだ。だが表立って不満を言わなかったのは、ルールを犯した張本人が一族の長だったから。彼がいいと言えばそれに従わなければならない、それもまたルール。
とはいえ、ミルダとルザリオの父親との仲が特別良かったわけでもないようだ。実際、彼は正妻のミルダへの陰湿な虐めを見てみぬ振りをしていた。
あるとき、唐突に彼女はローディオールと共に姿を消した。理由はわからない。即捜索することになったが、あの事件が起こりそうもいかなくなった。
ルザリオが先代の王の元へ連れていかれ、彼の両親が死に、国から追われる立場になり―――。
生きるか死ぬかの瀬戸際だったからミルダのことなど頭から抜けていたが、彼女がどうかしたのだろうか。
「ミルダさんが、何か?」
「あいつ―――先代のところにいた」
ラルシャは思わず目を見開く。
「まさか、そんなわけ―――」
「いたんだ。俺は見た。処刑場の前で、先代の横に立って」
心身ボロボロで連れ戻されていく時、ふと顔を上げると、目が合った。声には出さなかったが、笑って、こう口を形作ったのだ。
ざ、ま、あ、み、ろ、と。
「あと、あいつが消えてからすぐだったよな、俺が連れていかれたのは」
ラルシャの顔が次第に引き攣っていく。
「え、じゃあ、もしかしてミルダさんが…?」
あの悲惨で、悲しい事件を起こした―――?
「それを確かめに行くんだ。あいつなら全部知っている―――ローディオールなら」

<続>

***あとがき***
テストの鬱憤の勢いで1日で書いたよ。ミスあったらすまんよ。
予想以上に長くなったよ。申し訳ありませぬ。つまんないものですが、少しでも楽しんでいけたら幸いです。話は少しは進んだつもりです多分(自信ない)
ではー

 

RPG25

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半身だけ起き上がったキョウは、全身の力を抜いたままぼんやりと虚空を見つめていた。
長い間寝ていた。いつもでは考えられないような長さだ。カーテンの隙間から漏れる陽射しから察するに、昼より少し前を回っているだろう。
ベッドから降りて、動かなければ。しかし体は動かない。やる気も全く起こらない。まるで、体だけでなく心の神経までもが切れてしまったように。
そういえば目がいつもより開かない。どうかしたのだろうか、と霞みがかった頭で思っているとドアが静かにゆっくりと開いた。顔をそちらに向けると、入って来たのはラルシャだった。
彼女はキョウを認めて微笑を浮かべる。
「良かった。起きたのね」
ベッドを通りすぎてカーテンを開けると、キョウの顔を覗き込み、苦笑する。
すると彼女は持っていた一枚のタオルを膝の上に広げ、ポケットから一枚の手の平サイズの紙を取り出した。何かわからないが、模様が描かれているようだ。何をするのだろうかとキョウはぼんやりと見ていたが、次の瞬間目を見張った。ラルシャが紙を宙に掲げ手を離すと、ふわ、と宙に浮いたからだ。
「【氷結(アイス)】」
ラルシャの呟きに応じるように紙がキィィィと甲高い音を鳴らしながら、白く強く発光する。しかしすぐに紙は掻き消え、それに代わるように何もない宙から何かが降ってきた。
「うわっ」
それは氷で、綺麗にタオルの上に落ちる。それをラルシャは手際よく畳み、キョウの顔、特に目に押し付けた。
「わ、な何、」
「鏡を見てみなさい。可愛い顔が台なしよ」
「いや可愛くはないぞ全く」
「あら、そう?まあそれはいいから」
言われた通りベッドから立ち上がり、鏡の前に立つ。
確かにひどい顔だ。昨日散々泣いたせいで目とその周りがかなり腫れている。だから目が開かなかったのか。
「とりあえずそれで冷やしてから、ご飯食べに来て。用意は出来てるから」
「済まない、ありがとう。―――あ、待て!」
キョウは慌てて立ち去ろうとするラルシャを呼び止める。今のうちに聞いておかないと忘れそうだ。
「ラルシャは魔法を使うのか?」
この前戦っていた時、使っていなかったのに。
そうしたら、ラルシャに苦笑された。
「まぁ、使えないこともないわ。そういう一族だから」
「あ」
すっかり忘れていた。
自分のあまりのバカさ加減に笑ってごまかそうとしたが、変な笑いしか出なかった。もうダメだこれ。
うちひしがれるキョウを余所に、ラルシャはキョウの横に座る。
「でも私、今までの一族の歴史でも稀なくらい魔法が全然使えないの。これはそんな私でも魔法が使えるよう、お父さんが開発してくれた簡易魔法よ」
許婚は、次期当主に適した年齢の女児から一番相応しい者を選ぶ。例えばその者が混血であるとリストから削除の対象となる。とはいえ一族自体の人数が少なくない上、他の民族とも関わりが薄いので、滅多にないが。
自分が生まれた頃は自分以外に女児がおらず、自然と自分に決まったらしいが、問題が発生した。
魔法がとんと使えないのだ。このような者が一族の将来を決める許婚ではいけない、と父親は長老から叱咤されたが、そこからの父親の行動は凄まじかった。自分の仕事を全て押し退け、二日二晩全身全霊をかけて研究し、完成させた。それは当時の魔法界では画期的なもので、ラルシャが許婚として認められるどころか、各方面から賞されたという。父親は別段優秀な魔法使いでもなかったので尚更だ。
「それでね、周りからどうやって作ったんだ、て聞かれたら、”愛のパワーだー!”て」
「それは何だかすごいな!」
「でも人前で答えることでもないわよ。恥ずかしいったら」
その言葉とは裏腹に、どこか嬉しそうだ。
穏やかで深い笑みを浮かべて、言葉を継ぐ。
「―――だから、とても感謝しているわ。してもしきれないくらいだけれど」
口には出さなかったが、男手一つであそこまで育てるのはとても大変だったろう。母親はラルシャを産んですぐに亡くなってしまった。病弱だったらしい。自らの命の代わりに自分を産んでくれたことに対しても、感謝を忘れたことはない。
「あら、ごめんね、話しすぎてしまったわ。ちゃんと顔を冷やすのよ。それは普通の氷より溶けにくいから」
そう言い残して、ドアノブに手をかけたとき、背中に声が投げられた。
「最後に一つだけ聞きたい。ラルシャは許婚になって良かったか?」
その質問は、自分も父親にした。なれるんだったらなったほうがいいに決まってんだろ、と明るく笑って答えてくれた。でも、その父親が、お父さんが―――。
ラルシャはキョウのほうを僅かに振り返って言った。 嬉しいのか、それとも悲しいのか、泣きたいのか、複雑な表情を浮かべて。
「―――わからない。わからないわ」
ドアが閉まる音を耳で確認しつつ、歩を進める。
彼は悪くない。気持ちに踏ん切りのつけられない自分が悪いのだ。
やったのは彼ではないのに、国を恨むべきなのに、彼を見るとどうしても脳裏をよぎってしまう。
いつか、いつかは気持ちを整理するから、―――今はまだ、このままでいさせて欲しい。
彼女は彼に心から希った。

<続>

***あとがき***

わーいわーい、書けたんで書いちゃいました!頑張ったよ!
でもこの話ともう1コ話をやる予定だったんだけど軽く入らねぇ。ここまで丁寧にやる予定もなかったし。むふ。
なので続きは書きません!これともう1コ書いてキリよかったら頑張ったんですが、そうでもなくなったんで。
にしても、キョウがぐじぐじしてる時しか周りの話が進められないんで、めんどくさいったらありゃしない。ちっちゃいけど設定ミスも発見したし。うぅ、作者こんなアホでホントすみません。これで内容つまらなかったら終わりですねつまらなかったらどうしよう(真剣)
まぁそんなこんなで、受験後連絡がつく方だけ会いましょう!ではー

 

RPG24

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喉の奥で唸りながら寝返りを打つ。何故だか今日は妙に頭が冴えてしまって寝ることが出来ない。いろいろとあったからだろう。
薄く目を開ければ、瞼の裏の世界とも判別がつかない夜の闇が在った。その黒き空間に引き込まれそうになって、振り払うように頭を振る。窓を見遣っても同じような闇が広がっているだけだ。
しばらく外を見た後、緩慢な動作でベッドから起き上がった。気分転換に夜風にでも当たろう、という考えがぼやけた頭を支配したのだ。
壁に立て掛けておいた魔法杖を手に取り、【照明(ライト)】と呟く。珠を中心にして灯ったほのかな光を頼りにして、ローブを取り着用する。
そして音を立てないよう静かにドアノブを回し、部屋を出た。

寝泊まりしている部屋は旅館の1階にあり、バルコニーは2階にある。そこへと続く階段を上がり、ドアを開けて目を見張った。先客がいたからだ。
こちらに背を向けたまま手摺りに両肘をつき、セミロングの黒髪をたなびかせて夜空をぼんやりと眺めている。こちらに気付いて振り返ったが何の感情も見せず、黙って右に動いて左を空けた。ルザリオも静かにその場所に立つ。
二人とも立ったまましばらく口を開かなかったが、最初に口を開いたのはルザリオだった。
「あの一件俺達の一族は崩壊した…。それでもお前は俺の許婚で有り続けるのか?」
ラルシャは胸壁に背を預け、空を仰ぐ。
「当たり前でしょ?崩壊した今こそ再興が必要なんじゃない。まぁ…」
と言葉を切って、自嘲するように笑った。
「私の本来の役割は子孫を残すことではないから。私に不満があるのだったら他の人でも―――」
「ねぇよ」
ラルシャが僅かに目を見開いてルザリオを見ると、まっすぐこちらを見ていた。
「それは、絶対、ねぇから」
区切るようにゆっくりと、はっきりと言う。しかしラルシャは悲しそうに笑うだけだ。
「…そう。でもその気持ちがずっと続くとは限らないわ」
胸壁から背中を離しバルコニーの出入口へと向かった。聞けば、もう部屋に戻るそうだ。
ルザリオは俯いて彼女に聞こえない程度の小さな溜息をつく。
何となくではあるがラルシャが自分に対し、よそよそしいというか、距離を置いている気がする。
昔はこんな風ではなかった。ラルシャはもっと明るく、親しみやすかった。こんなぎこちない会話もしなかった。自分が何かしたのだろうが、わからない。したとすればあの一件しか―――。
その悶々とした考えとは別に、ある疑問が浮かび上がった。深く考えないまま問おうと振り返ると、ラルシャは出入口のドアノブを回そうとしていたところだった。
「なぁ、ラルシャ。おじさんは元気か?」
彼女の手の動きが止まる。だがそれも一瞬でドアノブを回し、引いた。
「えぇ、元気よ。―――多分ね」
「それなら良かった。俺からもよろしくって言っておいてくれ」
ラルシャは顔をこちらに向け、小さく微笑んだ。
「えぇ。わかったわ」
ドアの閉まる音を背中で聞きながら空を見上げる。
夜空に浮かぶ星は金粉を夜空いっぱいに撒き散らしたように綺麗だったが、どこか陰りを含む輝きだった。
まるで自分達のように―――。

<続>

***あとがき***

これで終わりと言った癖に書いちゃいました(笑)でも、この次こそは本当に受験後かと。次の次(?)でいい引きの展開で終わるので出来ればそこでおわらしたいんですが、時間がないぜっ!
またいつか会いましょう!ではー

 

RPG23

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ローディオールは二人を見比べて苦笑する。
「そろそろ引き際のようだね。さすがに、二人を相手出来るほどの余力はないからね」
ジダーヤを除けて立ち上がると、剣を回して魔法杖に戻した。そして何事か呟くと、ローディオールの後ろに異空間への入口が楕円形を縦にしたような形で開く。
「それじゃ、また」
そうしてジダーヤを引きずるようにして異空間へと入り、去って行った。
一つ間を空けて、ガサガサっと音がして茂みから飛び出してきたのはアルフだ。女に近寄り、心配そうに見上げた。
「…大丈夫ですか?」
「えぇ、もちろん」
アルフはほっと胸を撫で下ろす。
「ルザリオさんは?」
「俺も別に。―――ただ、あいつが」
ルザリオの見遣る方向には尻餅をついたままうなだれているキョウがいた。
何か声をかけるべきなのはわかるのだが、何て言ったらいいかわからない。そう逡巡していると女が颯爽と歩いていって、キョウの前に膝をついた。
「大丈夫?」
「え、あ、あぁ…」
キョウはゆるゆると顔を上げて頷いたが、すぐに視線は下がってしまう。
自分には傷は全くない。それよりも重要なのは、もうこの人達とは―――。
キョウは二つの頭部を抱く。
話すことは出来ない。微笑んだ顔を見ることさえも。
そうしていると一つの疑問が頭を擡げた。キョウは再び顔を上げる。
「そういえば、あなたは…?」
あぁ、と女は目を見開いた。
「自己紹介がまだだったわね。私は」
女は手を頭の後ろに回して顔を覆っていた布を取り、口角を上げる。
「ラルシャよ、よろしく―――」
「あぁーーー!」
体を傾けてラルシャの横から覗くと、ルザリオが驚愕に満ちた顔をしていた。逆にラルシャは冷めた目付きで見返す。
「お、おおお前…」
「ふぅん、やっぱり忘れてたみたいね。何年も会ってないとはいえ、許婚の私を忘れるとは、色んな意味ですごいわ」
ルザリオには返す言葉もなく、口を開閉しただけで終わった。
「許婚…?」
キョウの呟いた言葉にラルシャは振り返って、微苦笑を浮かべる。
「親が勝手に決めたことだけどね」
その証拠にラルシャの髪は黒い。瞳も黒だ。どうしてルザリオやローディオールと違う色なのかはわからない。
ラルシャはキョウの抱える頭部に何の躊躇いなく触れ、髪を撫でた。
「この方々のお墓を作ってしまわない?もう時間も遅いし」
今やっと気付いたことだったが、あの色とりどりのランプがついた店は全て既に店じまいしており、辺りは真っ暗だ。
「でも、道具が…」
「大丈夫。―――ルザリオ」
「了解。【埋葬(ライ)】」
魔法杖を突き立てると、キンという金属音と共に何かが衝撃波のように広がった。同時に両親の遺体も透けて消えた。
「リンゼン市内にある墓場に移動させた。リンゼンの墓場は一つだし、札も立てといたから行きゃわかるだろ」
「ありがとう…」
キョウは小さく頭を下げる。
「この近くに、”オルクィン”が経営している旅館があります。今夜はそこで夜を明かしませんか?」
「そう、だな…」
アルフの誘いに乗ってキョウは立ち上がろうとしたが、膝に力が入らずラルシャに倒れ込んでしまった。
「わ、す、すまない…」
「いいわ、私があなたを背負うから。捕まって」
出会ったばかりなのに迷惑かけてばっかりだ。申し訳なさに胸をいっぱいにしつつ、ラルシャに肩に捕まる。宙に浮いた足がラルシャの腕に抱えられた。
暖かい。
頭がぼんやりとしてきて、仕舞いには眠くなった。眠るまいと耐えていたが、いつの間にか瞼は落ち、意識は闇に沈んでいた。

幸せな夢だった。
両親とキョウとローディオールで食卓を囲んで。優しくて暖かい雰囲気が流れていて。皆楽しそうに笑っていて。

でも、もうあの頃は戻ってこない。

旅館へ行く道程で、ラルシャ達の後に続いて歩いていたルザリオの手元でピン!と高い音が鳴る。見れば、魔法で手紙が届いた音だった。
訝しみながら封を切る。そこには、
”以前君が知りたがっていたことを教えてあげよう。
下に日時・場所が記載されている。その通りに来るといい。
  ローディオール”
とあった。
ルザリオはその手紙を握り締め、ポケットに仕舞う。
その様子を、ルザリオの後ろにいたアルフはじっと見ていた。
<続>

 
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オリジ小説、二次創作(一般向け)、偶にイラスト等を主とする、純ヲタクな学生のブログ。只今更新停止中。オリジナルのジャンルは、学園ギャグ、ファンタジー等。

プロフィール

Author:透雫
ロックオン、欅くん、泉孝介、サルドニュクスは我が心の夫。
マンガ、小説、ゲーム(一部)はバッチコイ。歴史は戦国〜安土桃山、最近はWW?、?に熱中。

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