鞠−マリイロ−色の都

オリジ小説、二次創作(一般向け)、偶にイラスト等を主とする、純ヲタクな学生のブログ。只今更新停止中。オリジナルのジャンルは、学園ギャグ、ファンタジー等。

RPG27

RPG(仮)

骨がわずかに浮き出る程痩せた子猫が草一つない荒れた大地を駆けていた。後ろからはあまりの飢えに我が子を喰らおうとする父猫が追い掛けてきている。母猫は父猫を止めようと応戦し、死んだ。
子猫は懸命に走ったがすぐに追い付かれ、対峙することとなった。父猫はもう周りが見えておらず、子猫のことをもう餌としか思っていない。
じりじりと歩み寄られ、死を覚悟した時、父猫の体を何かが貫いた。子猫はその隙に必死で逃げ、じきにその姿は見えなくなった。
それを視認し、父猫の死骸へと視線を移す。茶色の瞳が嫌そうに歪んだ。
「ここでも”親”の腐敗は変わらない、か…」
ローディオールは父猫の亡骸から剣を引き抜き、鞘に仕舞う。
人とは不思議なものだ。生まれた時の心はとても純粋で透き通っているのに、育つにつれてどんどん腐っていく。無論例外もあるが、大半はそうだ。
そのようなこの世界を根本的に正すには、”親”の死滅が必須だ。子供はまだ精神的に治すことは出来るので構わない。
ほぼ空想的だが、”黒の蜃気楼”が、あの絶大な力があれば、それすら可能になるのだ―――。

ざわり、と風が騒ぐ。
振り返ればあの二人、ルザリオとラルシャがいた。自然と口角が上がる。
「ふむ…ようやく来たようだね。本題に入る前にこれを」
手を顔の高さまで掲げ、指を鳴らした。
「プレゼントしよう」
後ろに控えていたジダーヤの姿がゆらりと揺らめいて消える。
ラルシャが驚愕して目を見開いた。
「なっ…?!詠唱なしで?!」
「気をつけろ!あれは不可視系の魔法―――」
ルザリオの言葉が言い終わる前に彼女の体が横に吹っ飛ぶ。咄嗟に受け身を取ったが、反撃が出来ていない。相手が見えないせいで一方的にやられていた。
「ちっ…!」
魔法杖を構えて、魔法解除の魔法を唱えようとする。その時、ローディオールの指なりが再び聞こえた。
「あぁ、君にはこれを」
途端、体が金縛りにあったように動かなくなる。すると、自分の影が蠢いて生きた人間のように起き上がり、ルザリオを羽交い締めにした。
影縫いか―――!
指なりは魔法の発動の鍵となってることからすると、恐らく事前に指なりすればすぐ発動出来るよう、魔法を予めこしらえておいたのだろう。ちなみにそれにはかなりの魔力を使い、かなり高い技術が必要だ。
ローディオールはこちらに歩み寄りながら不気味に笑う。
「君達は間抜けだね。私が何も用意しないと思ったのかな?」
「うるせぇっ!こんなもの―――【蝉脱(チェルティ)】!」
ルザリオの体が白く淡く発光すると、小さな白き竜が現れて素早くルザリオの体を旋回した。その動きに合わせてルザリオの影が崩れ、元の影に戻った。ルザリオはすぐに杖を構えて体制を整える。
「なかなかやるようだね。いいだろう、君の質問に答えよう」

ラルシャは反射神経で右に避けると、何かが掠めた。九分九厘ナイフだ。
確かに相手は見えないが、ナイフがどこへくるかくらいは何となくわかるようになってきた。これであと、相手さえ掴めれば―――。
再び気配がして左に避ける。次の瞬間強い痛みと共に頬が蹴られた。ナイフは囮で不意をつこうとしたようだが―――今だ!
蹴ってきた足を両手で掴み、一回転させてから遠心力で吹っ飛ばした。
地面に落ちる激しい音を耳で確認しながら、懐から護符を取り出して掲げる。
「【解放(リリース)】!」
護符は一瞬で細かくちぎれると、ある一点へと向かった。それは人の形を取り始め、数秒経った時にはそれがジダーヤだとわかるようになっていた。
ジダーヤはゆっくりと立ち上がると、服についた砂を掃う。
「相変わらずあなたは痛いね…まぁいいよ。俺の役目は果たせたようだから」
「役目?」
眼鏡の奥の瞳が淡々と見返す。
「あなたとあいつを引き離すこと」
ラルシャが慌ててルザリオのほうを見た時にはすでに自分との間に、稲妻が線状になったものが金網のように張り巡らされた結界があった。
あれに触れたら一瞬で火傷する。しかも中級魔法。初級しか使えない自分には解除することが出来ない。
「ルザリオ、ルザリオ…っ!」
「無駄だよ。こっちの声は聞こえないらしいから」
ジダーヤの言葉通り、ラルシャが必死で叫んでもルザリオはぴくりとも反応していない。
ラルシャは悔しさで下唇を噛む。これでは自分がついてきた意味がないではないか。
ローディオールがルザリオに向かって口を開く。その声はこちらにも聞こえてきた。

<続>

***あとがき***
字数がオーバーしたので切っちゃいました。
通称まぐに展開遅いねと言われてうんたかかんたかと答えましたが、実際はラルシャの話をきちんとやるためです。あの時しかやる時がないのに話が結構詰まってたんで時間かかりました。もう準備期間は終わったんで大丈夫だと、思います。
口調間違ってたらごめんなさい。ロディ兄さんとかてけとうに書きました。だって資料がなかったんですもんくすん(/_・、)
次は時間があったら書きます。次で切ります。またリクエストしてくれた人にキリ悪いねと怒られそうです。では。

 

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プロフィール

Author:透雫
ロックオン、欅くん、泉孝介、サルドニュクスは我が心の夫。
マンガ、小説、ゲーム(一部)はバッチコイ。歴史は戦国〜安土桃山、最近はWW?、?に熱中。

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